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| 力強い父親の目、優しい母親に抱きつくあどけない子供、家族の固い絆を感じさせる館長一番のお気に入りです |
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蔵書票ってなんのことかと思われる方がほとんどで、それ ならぱ蔵書印と言えぱ日本人ならかなりの人が、ああ、あれ かと思われる人が多いでしょう。
日本では中国からの影響で、自分の所有する大切な本 の見返しに印鑑を押して、これは俺のものだという証しに したものです。ところがヨーロッパては印鑑というものを使 いませんから、自分の蔵書に版画家に頼んで自分の名前 を入れた紙片を作ったのです。それが蔵書票です。
蔵書票とはエクスリプリス(exlibris)といい“誰それの蔵書” という意味のラテン語で英語ではbook Plateと呼ぴます。
ヨーロッパで印刷術の進歩と共に複数の同じ書物が出現 したために、その本の持主や、所属する団体を明らかに する必要にせまられて、サインのかわりとして考えられた ものです。
初めは椎拙な木版刷りのものでしたが、版画技法の 発達につれて秀れた蔵書票が作られるようになってきたのです。
僕が一番興味を持ち、コレクションしようと思っている蔵書 票は、ァールヌーポーの時代(一八八○年代から一九一○ 年代)の作品で、西洋蔵書票の黄金時代と言える、花開いた 時期の作品たちです。
ロマンの泉美術館に展示している作品も、ほとんどこの時代の作品と いっていいでしょう。僕としては蔵書票という観念を捨て て、一枚の独立した芸術作品ととらえているので、あまり 蔵書票とは何かというようなことを言いたくありません。
本に貼るものだから大きさが小さく、必ずエクスリブリスと いう文字が入る(そうしまいと一般版画と区別がつかなく なるから)そして依頼者の名前が入るというような、制約の 中で版画家は表現しようとする。そこが文学で言えば短歌 や俳句と似ていると考えるのです
こんなに小さくてかわいらしく、そして無限のひろがりを 持って、見る人の心を楽しませてくれる蔵書票。本来なら ぱ人に見せるものではなく、自分だけの愉しみであった 蔵書票が、美術館に飾られる。草葉の蔭で蔵書票の持主も、 描いた画家たちも驚きあきれ、そしてよろこんでくれているに ちがいありません。
館長 伊藤文学 記
(参考図書「西洋の蔵書票」内田市五郎著・岩崎美術社刊) |
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有名なウィーンの蔵書票作家フランツ・フォン・バイロス公爵の作品
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