エクスリブリス 伊藤文學コレクション
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−あなたは何の花に変身を?−
人間だれしも変身願望を持っていて、美しい花に変身したいという人もいるだろう。
J・Jグランヴィルは、絵によって人々の花になりたいという変身願望を実現させた人だ。
グランヴィルは1803年にフランスのナンシーに生まれた。本名をジャン=イニャス=イジドール=シェラールという。家系には美術家や、俳優が多い。そこで当然、はじめは親戚の伝てを頼って舞台衣装のデザイナーとなった。
『花の幻想』に描かれた52葉は、一見するとロマンティックな花の擬人化にみえる。しかし、これを制作した最晩年は、グランヴィルが精神的にも、肉体的にも苦境の中にあった。というのもグランヴィルは最初の妻、そして第二子、さらに最愛の末っ子まで、たてつづけに家族をうしなってしまったからである。そのために二番目の妻を娶ったはいいが、こらがまたグランヴィルにはきわめてストレスのたまる種類の女性であった。かれの状態は急激に悪化へ向かったらしく、図版の一部は別の画家に制作をゆだねざるを得なくなったといわれる。(八坂書房刊『グランヴィル 花の幻想』の荒俣宏さんの解説から)



秀れた画家は、画を描くことには才能を発揮するが、金銭的なものとか、処世術にはまったく駄目という人が多い。なかなかマネージャーをやとうというのも大変なので、奥さんがその役目を立派に果たすということが、絵描きさんを成功させるカギを握っているといえる。
画家自身が絵の値段をお客さんとじかに決めたりするのは難しいから、奥さんがマネージメンとするというのが一番いいわけだ。その点、グランヴィルさんの奥さんは苦手だったのだろう。
10月1日から「ロマンの泉美術館」で展示される52点の作品の原作本は、1847年に刊行されたもので、全部揃っているものは貴重で珍しいものだ。
近年、グランヴィルの評価は、フランスばかりでなく欧米でも高まっている。是非、見て頂きたいものだ。
(説明:伊藤文学氏)

同時併催:花を描いた絵葉書たち
100年前の美しいポストカードの世界をお楽しみください。

落ち着いた館内で、ゆっくりとご鑑賞ください。
貴重な蔵書票が豊富です。
皆様のお越しをお待ちしております。

ロマンの泉美術館
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